サンテミリオンに存在する13の1級のシャトーのうち、11のシャトーまでもが“プラトー・ド・サンテミリオン(サンテミリオンの台地)”の上部に位置しています。その例外となるシャトーが、このフィジャックなのです。どりらの畑にも共通しているのは、プラトーの上にあるシャトーのように「表土が粘土、すぐその下に粘土質石灰岩がある」という構成ではなく、メドックのような「砂利質」であることでしょう。
ここの砂利は、過去にイール川とドロンヌ川によってフランス中央高地より運ばれてきたもので、鉄分を多く含んでいるのが特徴です。畑がある砂利質一帯は、この地域では“Les Graves de Saint-Emilion(サンテミリオンの砂利)”と呼ばれていて、良いブドウができることで知られています。
こうした土壌のメリットを活かすため、フィジャックの畑の作付けの比率は、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランが35%ずつ、そしてメルローは30%のみと、右岸の畑としてはユニークな作付けとなっています。